歌う際には、なぜ腹式呼吸で歌う必要性があるのか? 本当の理由とウソの常識。
①お腹から声が出る?②空気がいっぱい入る? ③大きな声が出る? ④のどを痛めない?
ほとんどの人がそう思ってるし、そう習ってきてると思います。 しかし冷静にこの4つの理由を考えてみると疑問がわいてきます。
①お腹から声を出す? そんなことが出来るワケがない。声は声帯からしか出ない。 イメージだけで実態とは全く違います。お腹から声なんか出るわけがない、間違いです。
②空気がいっぱい入る?ほんとうかな? 本当に腹式呼吸の方が空気がいっぱい入るなら、スポーツ選手は腹式呼吸で呼吸した方が良いはず。 でも実際は本当に空気をいっぱい欲しい時は、必ず胸式呼吸で呼吸します。 なぜなら、その方が空気がいっぱい入るからです。深呼吸も胸式呼吸です。 その方が空気がいっぱい入るからです。これをよく考えるとウソだとわかります。
③大きな声が出る? 胸で呼吸しても、叫べば大きな声が出ます。 これも少し考えればウソだとわかります。
④のどを痛めない? ワンステージで完璧にお腹で呼吸して歌っても、 声帯のならし方、声の出し方が悪ければ必ず痛めます。 これもウソだとすぐにわかります。
じゃあ何故歌う際には腹式呼吸で呼吸する必要性があるのか。本当の理由。
まず、わたし達はどうやって声をならしているかです。 空気を吐き出す事によって、声帯を震わせ、しゃべったり、歌ったりしてます。
基本的にいうと。 空気をいっぱい吐き出しながら声帯をならすと、大きな声になります。 空気を少しずつ吐き出しながら声帯をならすと、小さな声になります。 空気を一定の量吐き出しながらならすと一定の声の大きさになります。 すなわち、声の大きさは空気の吐き出す量によって変わるという事です。
歌の場合は、大きくしたり、小さくしたり、一定にしたりと、 かなり微妙な部分まで声の大きさを調整する必要性があります。 ようするに、歌う際には空気の吐き出す量を調整するという事が、重要な要素になるという事です。 腹式呼吸と胸式呼吸では、どっちかが空気の吐き出す量をコントロールしやすいかなんです。
胸の周りは全部骨がある。お腹は筋肉です。筋肉を使って横隔膜を上下させ呼吸した方が、 胸で呼吸するより、はるかに微妙な部分まで空気の吐き出す量をコントロールしやすいのです。 だから、歌う際は腹式呼吸で空気の吐き出す量を、 微妙な部分までコントロールしましょうということなんです。 これが一番の理由です。 それともう1つ、胸式呼吸より腹式呼吸の方が、上半身をリラックスしやすいという効果もあります。 この2つの理由で歌う際には、腹式呼吸で歌いましょうという事です。
①大きな声が出にくい。 ②のどが痛くなる。 ③いい声が出ない。 すべて、腹式呼吸とは関係ない、ちゃんとした理由が、それぞれにあるという事です。
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